Rei Atsumi Presents
“ゴールデン・トリビュート・メイニアックスの奇蹟”

Written by Eiji Farner

2010年5月3日、4日、5日。
あまりにも凄まじく、そして素晴らしい体験だらけの3日間でした。

まずはどれほどの機材が持ち込まれたのか、
この写真を御覧ください!

暗いな。。。照明をつけると。。。

わーお。このトーリ。

恐らく、これだけの“極上”のヴィンテージ機材が一同に会して、本気モードで爆音を放つことは、未来永劫この惑星の歴史には起こらないでしょう。
日本はもちろん、世界中でも。
これが地球の歴史上“最期”の、本物のロックサウンドが一挙炸裂した日だったと、ボクは確信をもっています。

御来場くださった皆さんはその証人、“最期の体験者”です。
ロック黄金期を彩った、あの時代の “本物の楽器” の “本物のサウンド” をどうぞ後世にまで語り継いでください。

カクイウ自分自身は。というと、「ヴィンテージ楽器」という概念を改めて考え直す良い機会となりました。

バイオリンやアコーステッィク・ギターやピアノなどの“生楽器”が、すでに何百年という時間を超越して、今もなお素晴らしいサウンドを奏でていることから、エレキギターやアンプの50余年の歴史を短く考えているフシが、自分の中にはあったかもしれません。

トコロガ。
その考え方って、エレキ楽器だということを半ば忘れていたというか。。。
考えてみたらアンプやキーボードって、家電製品やオーディオと中身は同じなんですよね。
どこの世界に40年〜50年も昔の、まだ真空管回路だった時代の古〜いテレビやオーディオをいきなり最大ボリュームで鳴らしまくったりする人が居るでしょうか?

爆発するんじゃないか?
発火するんじゃないか?
スピーカーが飛ぶんじゃないか?
トランスが焼けるんじゃないか?

普通は、そーっと電源を入れて、「おおー!まだ動くぞ!」って拍手して、急いで電源を切る。
っていうモンでしょう。

先に列挙したバイオリンなどと何処が違うか。っていうと、いわゆるプラスチックとか、配線ワイヤーとか、中の電気回路とか、化学素材が使われていて、それらの耐久年数は50年なんてないんですね。
身の回りの50年前のプラスチック製品なんて、たいてい朽ちているでしょう。
かろうじて、ギターだけは木工品なので、ヴィンテージ楽器たる経年変化による、より完熟してゆく変化を見ることができますが、それでもエレキですから、ピックアップの電気的劣化やプラスチック部品の欠損など避けては通れません。
それを指して「味わい」とも賞賛する方もたくさん居ますので、そこは意見の分かれる処です。
新品の電気製品特有の「元気さ」を、味わいが無いと感じるのも、それらの新品は今の時代に合わせた味付けがされているワケですから、何を指して味わいと呼ぶか。ということになります。
ヴィンテージ電気製品には発売された「当時の時代の音」がありますし、それを指して「味がある」と好むのも、これはボク自身もそういう価値観なので、わかっています。
でも、あえて言ってしまうと、電気製品の場合は木工品のような経年変化マジックは起き得ず、基本的には“劣化”し続けているんですね。

そこに高圧の電気をビリビリ流しこむワケですよ。(笑)
しかも、「あっちと同じ117ボルトに昇圧しなきゃ音が前に出ないぜ!」とか言って、容赦なく巨大な工業用電源装置を持ち込んで、“全開”にして。(笑)

これが車なら。
50年前の朽ちかけた中古車(ここでフェラーリやポルシェなどの往年の特別な名車を思い浮かべないでくださいあくまでも量産車。)を、高速道路でメーター振り切るまでアクセルを踏む根性があるかどうか。
しかも30分間以上。
って、行為と同じです。
エンジン爆発、タイヤがバースト、ドライブシャフト粉々・・・どれもあり得ます。
しかも、「当時のガソリンは無鉛ガソリンじゃねーぜ!」とか言って、ニトロを流し込んで、“全開”。。。みたいな。(笑)

ね。

これだけの楽器を集めて、全開で鳴らす行為って、そーゆー人達、“メイニアックスな人達” が、もちろんそれに耐えられるように、時間とお金をかけて、情報と部品を集めて、情熱を込めて手入れしたからできることであって、尋常なことではないんです。

全開で鳴らせない、経年劣化相応のくたびれたヴィンテージ楽器を持っている人ならば、世界中に、日本にもわんさか居ます。
そして、憧れのバンドになりきって、トリビュートバンドを名乗る方々もまた、わんさか居ます。

容赦ない爆音で、尚且つ、最高のサウンドを引き出して鳴らせるヴィンテージ楽器を所有し、手をかけてコンディションを維持していて、しかもオーナー本人が凄まじいまでに憧れのアーティストを“人生を捧げて ”、研究しつくしているプレイヤー。
そんな人はそうそう居ませんし、そんな人達が出会って、意気投合して、一同に集まって、そのサウンドを競うシーンなんて、これを“奇蹟”という表現以外に当てはまる言葉が思い浮かばないのはボクだけでしょうか。

“ゴールデン・メイニアックスの奇蹟”

あ。そんな凄い方々の中に、ベニアのギター(Messenger)と、オンボロアンプ(WEST)で参加させて頂いてしまい。。。。
凄い凄いと書きましたが、ひとり例外も混ざってましたっ。(汗っ)

これだけのヴィンテージ楽器が、3日間、何のトラブルも起こさなかったという裏話の意味、それこそ“奇蹟”としか言いようのない凄いことなんです。
誰も事故らず、誰もリタイアせずに、誰も逮捕されず、アクセル全開で壊れずに東京から箱根あたりまでの距離(←30分〜60分として換算)を全員が完走したぜ。みたいな。
いったいどれほどの執念を持って、機材メンテナンスをしている方々なんだ。。。。という。(笑)

あ。ひとりだけ本番中に弦が切れたり、リハーサル前の輸送段階でアンプが壊れたヤツが居ましたね。。。。
すみましぇーん。(滝汗っ)

さあて、そんな凄まじい機材をボクの記憶している範囲で(笑)解説しつつ、ライヴレポート、そして最高に楽しかったリハーサル風景まで、思いつくままにご紹介しましょう!

まず会場に足を踏み入れ、誰もが仰天したのは、厚見玲衣さんと川村ケンさんのキーボード・コックピットが客席にセットされていたことでしょう。
冒頭の写真のトーリ、どう考えてもステージ上に載るような量ではなかったワケ。(笑)

そして前述のヴィンテージアンプの山と壁。
リハーサル時に撮影した写真がコレ。

 

壁の裏の景色を撮影し忘れました。
電源がね。病院の集中治療室みたい。(笑)
特別なマーシャルの数々、恐るべきSUNN、謎だらけのWEST。。。ここで改めて語るまでもないかな。と思ったら、本邦初公開のアンプがありました。
それはキーボード・ブースにセットされた2台のマーシャルです。

 

はい。これも撮影し忘れたようです。(爆)

まず、ミニモーグとハモンドの間にチラリと写っているマーシャル。
これは、オルガン用なのです。
かの、ジョンロード氏が使用したものと同じ回路図をもとにして改造した、オルガン用マーシャルです。
そうとは知らずに最前列、厚見さんとの距離1メートル未満でご覧になられたお客さん。。。耳、ご愁傷さまでした。(笑)

このアンプの解説は、宇宙征服のキーボーディスト、田中エレカフェさんのメイニアックな解説をご参照。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1554847688&owner_id=957553

そしてもう一台は、川村ケンさんと田中エレさんが共用したカミテのキーボード・コックピットの、この画像だとHAMMOND Porta-B3の左隣に置いてある、白いレザー(厳密にはグレー)のマーシャルです。
これはギター用。
これは、今回のライヴに唯一、バンドとして出演し、連日セットリストを変更しながら圧倒的パフォーマンスで会場を盛り上げたUFOトリビュートバンド「宇宙征服」に於いて、ポールレイモンド役の田中さんがギターを弾くときに使ったマーシャルアンプです。
なんと、「ポールレイモンドが所有していた」由緒あるマーシャルなのです。
で。どんだけ素晴らしいアンプかというと、ここでも、田中エレカフェさんのメイニアックな解説をご参照。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1484091662&owner_id=957553

Marshall Silver Jubilee 25/50 っていうんですね。田中さんの使用機材も詳しく解説されています。
ほぼ川村ケンさんと共用です。

あ。宇宙征服さんのセットリストも、全部書いてある。(笑)
ちょうどよかった。ご参照。(笑)

≪宇宙征服 as UFO≫

そんな宇宙征服さんの凄さは、卓越した演奏力と完成されたパフォーマンスだけでありません。
メンバー全員がトンデモナイ機材オタクだという点で、この自称・機材オタクの筆者をもってしてもひれ伏すしかない凄まじさなのです。

こんなバンド無いよ。まじで。

いかなる小さなライヴハウスであろうと、リフトの付いた機材専用大型トラック(プロ用)を一台チャーターして、容赦なく大量の機材を持ち込む。(笑)
今回のライヴのリハでも、「持ち込みすぎ!」って、“あの”厚見さんに呆れられ叱られたという伝説をも作ってしまった恐ろしいバンドなのです。
その上、ヴォーカルのゴンザレスさんは、今回のFREEセッションではポールロジャース、DEEP PURPLEセッションではイアンギランとなってかの名曲の数々を唄い上げ、
ギターのミッチさん、ベースのルディさんもリッチーブラックモア、ロジャーグローバーをも完璧に演奏してしまうという。

どんだけキャパあるのっ。

この日のライブのために、どれだけの機材を新たに購入(準備)されたか、全部を書くと「引く」方も居るとおもうので涙ながらに割愛。(←ウソ。思い出しきれない。)
いやはや、なんという恐ろしい方々なのでしょう。普段はフツーに会社で仕事、してんでしょ!(爆)

ひとりのメイニアックな機材オタクがバンドを引っ張っている。っていうトリビュートバンドって、ありますよね。
たいていは、バンド内にひとりだけ機材には関心ないメンバーが居る。とか、借り物で済ます。とか、そこまでのカネはない。とか、本物のヴィンテージは大事にしているので怖いから保管。とか。
世の中の自称トリビュートバンドって、そーゆーモンです。(トイウカ。それが普通。一般。常識。)
全員が全員、“圧倒的”な演奏力と、圧倒的な機材(しかもあの時代のヴィンテージ楽器へのコダワリ)、そして冒頭に書いた機材知識と徹底したメンテナンス。

そんな3拍子も4拍子も揃ったトリビュートバンドなんて、アリエナイ。。。と思ってました。
居ましたね〜。恐るべき「メイニアックなバンド」が。(笑)

今回のライヴで、唯一、バンド単位で出演したのには、こういう恐るべき“理由”があったのです。
素晴らしい!宇宙征服! 大好きっ!

 

 

 

  

サテ。宇宙征服で暖められた会場に、いよいよ皆さんお目当ての、これ以降の全演目に出ずっぱりとなる厚見玲衣さん、ロジャー高橋さんの両名と、川村ケンさんが登場するワケです。
そして。。。あろうことか、のこのこと。ボクも。。。m(_ _)m

 

≪エージ・ファーナー as Grand Funk Railroad≫

機材は、このサイトで全部紹介してあるし、自分で語るのは恥ずかしいし。
もうね、ほんとうに、いろんな意味といろんな想いが交錯して、リハ〜本番まで。
ずーっと泣きそうでした。(笑)

あ。セットリストは、川村ケンさんのブログに載ってますので、そちらを御参照。
(GFR以外も、ライヴのほぼ全セットリスト載ってます。)
http://blog.goo.ne.jp/kenbow_001/e/ab3d5ee379ba674467033b5098e7804a

別の日のブログには、この日、
厚見さんと川村さんが駆使されたトテツモナイ量のキーボード群の写真が掲載されています。
http://blog.goo.ne.jp/kenbow_001/e/7eec544afcb24ccb26ad93fb515adbad

これ、使って、グランド・ファンクですよ。なんたる贅沢な。

そして、この日、ロジャーさんの凄まじいドラミングにより初披露となった、ドラムセットがこれです。

これは、なんと。この日のために、本番の数日前に厚見さんが購入した、
'70s ヴィンテージのシルバースパークルです。
サイズはBD 24、TT 13、 FT 16&18。

あの時代のハードロックを演るのに、あの時代の機材を揃えるからには、
ドラムサウンドもあの時代のラディックでなければなるまいっ!
という。(爆)

もちろん、リハーサルに持ち込むまでに、徹底的なフル・メンテナンスを施し、その極上のコンディションから叩き出される極上のサウンドは。。。

ご来場された方々だけが知っています。(笑)

みなさんが耳にしたドラムサウンドは、正に“あの時代の音”そのものだったのです。
初日リハでは、本番直前ロジャーさんがヘッドを蹴り抜いてしまい、慌てて最寄の楽器店へ。って、新横浜に楽器屋は無くて、けっきょく横浜まで買い出しに走るしかない(片道45分!)という大騒ぎもあったのですが、これまた“奇蹟的”に本番に間に合い。(笑)

おっ。そのエピソードも、川村さんのブログに載ってるな。(笑)
http://blog.goo.ne.jp/kenbow_001/e/6b93d3513be55aad10fd7c80d51c7297

って、よく読んだら、ここでもキーボードに関する解説が、凄いことになっています。(爆)
このブログを読んでみれば気付かれることでしょう。
YES,そうなのです。残念ながら川村さんは、重度の“キーボード脳”な方だったんでした。
キーボード以外の機材の解説が、ミ・ゴ・ト・に割愛されています。(笑)
それどころか、「このホイールがたまらない」というコメントも、メロトロンのツマミだけのドアップ写真も、川村さんが何を考え、どんな方なのか。全て表現しています。(笑)

ここにも居ましたね〜。恐るべき重症メイニアックな方が。(爆)

そんな、ボクの大好きな川村さんにクレイグフロストを弾いてもらって、
GFRを一緒に出来たのは、僕の一生の宝となりました。

もちろん、厚見さん、ロジャーさんにも、そして応援してくれた友人にも大感謝しています。

 

≪レズリー宮脇&レイ・ママラルディ as Mountain ≫

この日のために。
ベース用マーシャル3段積みとリッケンバッカー4001を購入した宇宙征服のルディさん。

この日のために。
キーボーディストなのにヴィンテージ・ラディック・ドラムセットを購入した厚見さん。

この日のために。
毎日腹筋したボク。(安っ)

そして、この日のために。
単身赴任先のドイツ・ハンブルグから帰国した、浜松のレズリーウェストこと、レズリー宮脇さん!

そんな強烈なマウンテン・メイニアックな宮脇さんと。。。片や。
マウンテンのベースが弾きたいので、Gibson EB-1 を購入して、MOUNTAIN MANIAC を立ち上げ、パパラルディのベースが弾きたいので、この日のライヴを企画したという噂がマコトシヤカに語り継がれる、レイ・ママラルディ氏。

この凄まじき両名によるマウンテン・トリビュートライヴ。

なんといっても圧巻は、20分近くもの「ナンタケットスレイライド・ライブ・ヴァージョン」の、完全コピーでした。
世の中にわんさかいる、たいていの自称・トリビュートバンドは、長尺の曲ほど、完全コピーが出来ていないのが普通です。
普通は、20分もの曲を、全てのパート・全メンバーが1小節もアドリヴを入れずに、レコード通り(CDにあらず)に演奏するなど不可能だからです。
たいてい、バンド内にひとりくらい、「こんなカンジでいいだろ。オレ、イケてんじゃん。」という考えの、いわゆるトリビュートバンドとしての自覚がない、カバーバンドくらいの心構えのメンバーが居て、
ちゃんとコピーしない(できない)、練習しない(できない)、覚えられない(できない) んですね。
世の中の自称トリビュートバンドって、そーゆーモンです。(トイウカ。それが普通。一般。常識。)

トコロガ。彼らはやってのけてしまったのです。まさに驚愕!
なぜなら。

ギタリストがドイツに居るので、リハが全くできなかったから。

トナレバ、「レコード通り」もしくは「テキトーにアドリブで」という2択しか無かったワケです。(爆)
で。もちろん。前者がチョイスされ、1小節も抜いたり変えたりせずに20分間、完コピ。。。。
ちなみにイントロ〜エンディングまでストップウォッチで測ってみたら、レコードと1秒の差があるかないか。という、これまた“奇蹟”を実現させてしまったのです。
「ナンタケットスレイライド・ライブ・ヴァージョン」のあまりにも完璧に構築された完成度を知っている者にとっては、これは2択どころか、唯一の選択とも言えますが、それにしても凄かった!

更に驚くべきは、ハンブルグから、なんと関空です。関西国際空港。
で、新大阪から新幹線乗り継いで、新横浜について、
川村さんやロジャーさんと「はじめまして」って挨拶して、サウンドチェックしていきなり本番。

いやはや、ここにも居ましたね〜。(笑) 
恐るべし単身赴任。。。。

 

≪木下秀幸&棚村“ゴンザレス”睦&アツミーフレイザーas FREE ≫

まったくパワーの衰えないロジャーさんの、たぶんヒザの裏側あたりについているハズのボリュームツマミが目盛り3ツ分くらい上がって、一段とキック音量がデカくなり、誰もが知っているあのイントロがサンフォニックに炸裂すると、お待ちかね FREE LIVE の開演です。

このシーンには、毎日毎日3日間、鳥肌が立ちました。
ヘッドがまたもやぶけるんじゃなかろーか。っていう心配からぢゃないですよ!
そのビッグなビートに。です。

そして主役は、まだレスポールを弾き足りねーぜ。
とばかりに、
死んだポールコゾフがこの人に乗り移った。と、ボクには思えてならない木下秀幸さん。

背中にはマーシャル・スタック3段積みを背負って、の登場です。(と、ボクの目にはそうとしか映らず。)

 

そして、つい先ほど、凄まじいUFOトリビュートを演じたゴンザレスさんが、これまた更にシフトアップして、「あの」雄叫びを上げると、そこはもう、「あの」名盤の世界です。

 

 

“本物の”ヴィンテージレスポールを、“本物の”ヴィンテージマーシャルに、カールコード1本で“直結”することにより実現する

“本物の”極上のサウンド。。。。

ご来場された方々だけが知っています。(笑)

みなさんが耳にしたギターサウンドは、正に“あの時代の音”そのものだったのです。

ここにも居ましたね〜。カールコード1本。

“漢”と書いてオトコと読む。漢の中の漢!

今日から兄貴と呼ばさせてくださいっ!

ここで、さきほどまでレイ・ママラルディだった厚見さんは、突如アツミーフレイザーと化し、「もしやオールライトナウのベースソロが弾きたかったダケですかっ!」 などという噂をモノトモしないベースプレイでボトムを埋め尽くし、多くの観客の三半規管に強烈なダメージを与えたのでした。
FREE終演後、なぜかグッタリくるアノ疲労感は、ご来場された方々だけが知っています。(笑)

誰あろう。アツミーフレイザー御本人がいちばんグッタリしてましたし。

で。全曲、Gibson EB-1で弾くと、低音が凄すぎてどんどん具合が悪くなりそうだし、ベースを弾くと指も痛いし、っていうんで、(←ウソですよ。)途中からはGFRでも炸裂したキーボードによる左手ベースに変更され。。。ここで遂に出るのか、必殺(?)の体力温存エコ・モード!って思ったら、ナント余っている右手でがんがんピアノを弾きまくるという離れ技を披露され、「それはそれで疲れないんですかっ!」と。心の中で叫んだのはボクだけではなかったハズです。(笑)

そんな厚見さんの左手鍵盤ベースですが。。。
この後のJベック・セッションで、更に。誰もがその真の恐ろしさを思い知ることになります。

 

≪大槻啓之&ケンハマー as JEFF BECK ≫

みなさんは、「究極のトリビューターとは何なのか」なんて考えたことありますか?

皆が憧れのアーティストになりきろうとして切磋琢磨して、いったい何をゴールとして“究極”と呼ぶのでしょう。
同じ使用機材を使い、サウンドを徹底研究し、コピーの緻密さを競い、見た目の風貌に拘り、etc,etc,
更に同じ“志”のメンバーが集まってバンドとなれば、より完成度が上がり、これをもって究極と呼ぶ。と、実はボクは思っていました。
そのどれもが並大抵の努力では成し遂げられないからです。
そんなボクに、「答えはひとつではない」 という事を体現して示してくれたのが Mr, JEFF BECK 大槻啓之さんです。

大槻さん1人だけが、このイベントに参加した強烈なトリビューターの中で異彩を放っていたのです。

たった一人。緻密なコピーではなく、全てその場の閃き、つまりアドリブで演奏されたのです。
しかも大槻さんが使用された機材は、ここまで語りまくったヴィンテージ機材ではなく、現行品の普通のマーシャル、特別な改造は何もしていない普通のストラトキャスター、足元には現行品のワウとブースター、アンプの上には小さなディレイと、2台のアンプをステレオで鳴らす為のフランジャーがセットされただけした。

ストラトも、見た目ピックガード形状こそ、70年代にジェフベックが愛用した風にモデファイされていましたが、ボディマテリアルもピックアップも大槻さんの好み、誰もが目を奪われたトレモロアームも、ごくごく普通のシンクロナイズド・ブリッジでした。

http://dazys.exblog.jp/11764819/

つまり。
普通のストラトと、普通のマーシャルを使って、
アドリブで演奏したワケ。

な・の・に!
もう、最初の1音から、まるでジェフベックが
弾いているようにしか、聞こえないのです!

この意味が、分かりますか?

ここに、ボクは究極のトリビューターのひとつの答えを、
衝撃を持ってまざまざと体験することになったのです。

サウンドは、指から出るという事。

しかも、あのジェフベックですよ。
世界中で、ひとりだけしか出せないハズの、
あの摩訶不思議な“指”のサウンドが出せる人が、
もう1人居た。という驚愕。
そして同じフィーリングを体得することでしか、
なし得ない、まさにベック風アドリブフレーズ。
ここまで似てしまうと、自然なまでにギターの構え、
立ち姿までが、そっくりなのです。
あの、ジェフベックに。ですよ。

特に動くわけでもなく、特に有名なアクションがあるわけでもなく(笑)。
ただ、そこに立ってギターを弾いているだけで、もうそっくりなのです。

もし、街でギター弾いてる大槻さんとすれ違ったら、
「あれ? ジェフベックさんですよね。」って、
ぜったい誰もが声をかけてしまうくらい、そっくりなのです。

「オレ、さっきジェフベックに会っちゃったよ」って、
なんの疑いも持たず居酒屋で自慢しちゃって、
「おめえ、馬鹿も休み休み言えよ。」
「本当だって!信じてくれよ。見たんだよ!飛んでたんだよ!」
みたいなオキマリの会話になってしまうくらい。これはもう事件なのです。

そして。。。世界一ギターが上手いジェフベックを演奏するワケですからね。。。
いやはや、上手い!!! に、決まってるワケで。(笑)

ほんとうに、リハから本番まで、出演者一同が、まるでジェフベックを生で見ている錯覚に陥ってしまい、
「こんな間近にジェフベックが見れるなんて!」って、コレほんとうにあった会話なのです。

連日、素晴らしい演奏を堪能させて頂きました。

そしてそして。このジェフベック・セッションは、他のメンバーもイヤハヤ凄かった。
ついさっきまで、とてつもなくパワフルなヘヴィドラマーだったロジャーさんが、今度は鮮やかに変拍子を叩きまくり、恐ろしいまでの深さのフトコロを披露したかと思えば、
そこに加わる厚見さんのシンセベース(ほぼ左手オンリー)が、世の中のベーシストのアゴをあんぐりと外す、凄まじいグルーヴで炸裂するという。

その光景はもはやジェフベック・トリビュートというより、「コレ、本物より凄くないか?」という声が、客席のアチコチから溜息と共に聞こえてくる壮絶な「ハードロック」そのものでした。
更に、そこに。ジェフベック最強黄金時代を築いた最高の相棒=ヤン・ハマーと化した、その名もケン・ハマーこと川村ケンさんのミニモーグが強烈に切り込み、大槻さんとの凄まじい掛け合いを演じるのですから、そりゃ客席から大量の溜息も漏れます。
誰もが見入ってしまい、演奏が終わってシーンと静まり返った会場から、一瞬の間を置いて嵐のような拍手喝采が巻き起こった瞬間に、背筋が凍りついたのはボクだけではなかったハズです。

そんなケン・ハマーの必殺ミニモーグについては、コチラをご覧頂くと、これだけで白いごはんが4杯くらい、おかわりできちゃうくらい濃い味のメイニアックス・ワールドが堪能できます。

http://blog.goo.ne.jp/kenbow_001/e/e39199d574b09a3d3f2246dbf35dedeb

このジェフベックセッションだけが、全員プロ・ミュージシャンだったのですが、「プロ」という2文字の恐ろしさ。さらには、「プロミュージシャンでありながらオタク」という18文字の恐ろしさ。を、まざまざと思い知らされた共演オタク一同でした。(笑)

これぞ究極!

 

≪ジミー桜井 as LED ZEPPELIN ≫

最強トリビューター。
この方こそ、マチガイナク、世界一。
これはお世辞でもなんでもありません。
同じ使用機材を使い、サウンドを徹底研究し、コピーの緻密さを競い、見た目の風貌に拘り、etc,etc,

「究極のトリビューターとは何なのか」って考えたとき、頭に思い浮かぶいくつものキーワード自体、もしかしたらこの方が“実現”して世の中(地球上)に実証してしまったことで、究極という価値観の“基準”となってしまったのではなかろうか。
ボクはジミー桜井さんのプレイに間近に触れて、そうまで思ってしまったのです。
かなり重症との自覚を持つボクが、まったく足元にも及ばず、なのに強烈に同じ病気のニオイがする。(笑)
GFRとは対極ともいえる豊富な情報量と写真が現存しながらも、GFR以上に多くの謎に包まれたレッド・ツェッペリンのサウンド・機材・プレイの全てを、ここまで研究し尽くし、今もなお“飛行”し続けている、恐るべき鉛の飛行船長。

そして、
圧倒的なライヴ・パフォーマンスと、圧倒的な存在感。。。
それはまるで、正にジミーペイジのような凄さ。
ご来場された方々の誰もが、そう思ったハズです。

2日めだけ実現した、このツェッペリン・セッションは、なんとベーシストもヴォーカリストも居ない異例のトリオ編成でした。

ドラム:ロジャー高橋さん、
キーボード&ヴォーカル:厚見さん、
ギター & テルミン:ジミー桜井さん、

まるでこの瞬間を待っていたかのように、ロジャー高橋さんにジョンボーナムが乗り移り、そして厚見さんもまた、この瞬間を待っていたかのようにキーボードプレイヤーの本性を剥き出しにして、敬愛するジョンポールジョーンズを超えてしまっていました。

自称・強烈なツェッペリンオタクのボクの想うレッド・ツェッペリンのライヴの凄さとは、どう展開するか予測不能なジミーペイジの閃きに、どこまでもリズム隊が追従し、やがて大きなウネリとなってドラマチックに楽曲を変貌させ、地球の歴史に残る名演、もしくは大失敗の結末となるスリリングさ。

だとしたら、この日の演奏は正にその通りのアプローチを踏まえ、その結果、前者の「後世にまで語り継がれる名演」を再現してしまったという、これぞ究極のツェッペリン・トリビュートと断言できるものでした。
先に登場した大槻さんのジェフベックが職人技による究極のギタリスト・トリビュートと喩えるならば、この3人の作り出した世界は、正にレッド・ツェッペリンという最強のライヴバンドが、かつて世界中で繰り広げたライヴ空間を見事に再現した究極のライヴ・トリビュート!

ほんとうに凄かった!

 

ここで、厚見さんの機材の補足解説です。客席から見るとこうなっていました。

すでにどの機材も Grand Funk Manaic 読んで知ってらあ。川村さんと宇宙征服・田中エレさんの解説で、全部わかってらぁ。という筋金入りのキーボード・メイニアックな方なら、白いメロトロンの後ろのレスリースピーカーが気になっちゃって仕方ないハズです。

これはメロトロンの上のエレピCP-300 がつながっているのです。
ノー・クォーター、1曲だけのために!(爆)

つまり、ピアノの音をレスリーでグルグル回して、本家・ジョンポールジョーンズのフェイズサウンドよりも豪華絢爛なピアノサウンドを演出したのです。

なんと贅沢なっ。

フェイズシフターなら紙袋でヒョイって運べるのに、レスリースピーカーとなればトラックをチャーターして、更に屈強なお兄さんが2人居ないと運べません。
もちろん、サウンドも贅沢でしたよ〜。
レスリースピーカーから1メートルと離れていない場所に最前列のお客さんが居るワケで、そのお客さんの肺には、レスリーでかき混ぜられた空気が厚見さんのピアノ・サウンドと混ざって吸い込まれたワケで、うーん。うらやましい!

カクイウ筆者もリハーサルで、そーっと近づいて吸い込みましたけどね。(笑)

あ。ナマイキにも、同じニオイがする。などと書いてしまいましたが。素敵なエピソードがあったのです。
それは後日、Mr,JIMMY のライヴに御招待頂き、桜井さんと会話させて頂いた際。
桜井さんが熱く語られた機材の話が、あまりにも面白くて。。。

「厚見さん!バンドにACOUSTICのベースアンプを導入したら、なんのことはない、今まで苦労してきたサウンドメイキングが、もう、ツマミがどの位置だろうと、ばっちり同じ音になるんで、やっぱり同じ機材、ベースアンプは重要です!」 by 桜井さん。

で。5年くらい前。かつて、ボクがやっとWESTのアンプを入手したときに、語ったセリフが、
「厚見さん!バンドにWESTのベースアンプを導入したら、なんのことはない、今まで苦労してきたサウンドメイキングが、もう、ツマミがどの位置だろうと、ばっちり同じ音になるんで、やっぱり同じ機材、ベースアンプは重要です!」

で、厚見さんがコロゲテ笑いながら一言。
「エージ君! オタクな人って、究極、同じ所に辿り着いて、同じセリフを言うんだね。」 (大爆笑)

いやいやいやいや。
ちょ・ちょ・ちょっと待ってくださいっ。

まるで、SUNN のベースアンプを手に入れたときに、御自分がおっしゃっった言葉をマルキシ忘れてしまっているようなので、言わせてくださいっ。
「桜井さん、それ、厚見さんとまったく同じセリフですよ。なあんだ、究極オタクな人って、やっぱり同じことを言うんですね。」

ライヴの話題に戻りましょう。
そして。この日。
歴史上、実現していない、夢のコラボレーションが実現したのです。

≪JEFF BECK vs JIMMY PAGE≫

イギリス人のJベックとJペイジが、こうして2人で“ROCK'N ROLL” を演奏した。という史実は無いそうです。が。

日本のJべックとJペイジは、、このトーリ。

この人達は本人じゃない。って誰もがわかっているのに、この高揚する気持ち、興奮は、いったいなんなんだっ!
つーか。老いてしまった“現代の2人”ではなく、まるで全盛期のベック&ペイジがアイマミエているかのようなスリリングさまでもカモシ出す、このお2人は、いったいなんなんだっ!
いやー凄かった!!!!!
ヴォーカルに飛び入りされたMISUMIさんが、これまた、とびきりかっこよくて、ゾクゾクしました。

爆音ギタリスト2名、超爆音キーボーディスト、そして爆音ドラマー。

全員が完全にリミッターを切って演奏しているのに、それをものともしない、

爆音ヴォーカル。(驚)

http://www.misumi-museum.com/

アノ時代、ハードロックの黄金時代に、ロックの洗礼を受けて、夢中になり、そして今日まで夢中になり続けてきたボク達皆が、最高に興奮し感動した空間がそこにありました。

これぞ正に、凄まじきミュージシャン・シップの共演!
ゴールデン・メイニアックスの奇蹟。

いろいろな感動的なシーンがたくさんあった中で、このシーンがひとつの象徴であったようにボクには思えました。

 

≪Mark II as DEEP PURPLE ≫

いよいよラストとなる、第二期ディープパープルのトリビュートバンド、マークII の登場です。

ここまですでに3時間以上もの“メイニアックス・ワールド”が展開され、だれもがおなかいっぱいになっていたハズなのですが。。。

更にここから1時間ものディープパープル「ライヴ・イン・ジャパンの再現」が演奏されたという。。。
ね。この文章だけでゲップが出そうでしょ。(笑)
そ・れ・が。
ここからが、また凄かった!!!んですよ。
ディープパープル「ライヴ・イン・ジャパン」。
このアルバムの持つ、“特別”な魅力は、ここで語るまでもありません。

地球の歴史上、ハードロックのライヴ盤の最高峰と呼んで、異議を唱える人なんて誰も居ないでしょう。
アノ時代のハードロック好きな人で、聞いた事ない無い人が居ない。嫌いな人が居ない。居るワケがない。
アノ時代のハードロック好きな人の、誰が聴いても。そしてハードロックをよく知らない誰が聞いても、必ずノックアウトされてしまうという、地球史上最高のライヴ盤。
例えば12歳のボク。
ハイウェイスターもスモークオンザウォーターも聞いた事もなかったし、ドラムもオルガンもギターも何も分からない。
それでも、もう一日中夢中になって聞き続けて、イアンギランって人間なのか、怪獣なのか!って、もう、全ての価値観がひっくり返る衝撃を受けました。
みんなが同じ道を通ってきたからこそ、誰もがハイウェイスターも、スモークオンザウォーターも知っているワケです。

が。しかし。

あまりにも有名であったが為に、この地球最高のライヴアルバムは別の歪められたイメージを担ってしまった事もまた、みなさんも御存知でしょう。
なぜなら、情報の圧倒的に少なかった昭和時代。あまりのかっこよさに、ちょっと楽器が弾けるようになった初心者の誰もが学園祭でやろうとしてまうから。(笑)
まあ、こんなトテツモナイ演奏を素人がやれるワケもなく、やったほうはニガイ思い出を生涯背負うことになり、聞いたほう(世間)は、初心者でも演奏できる曲と勘違いしてしまい、あげく「ハードロックの入門アルバム」のような歪んだイメージで語られてしまったワケです。
で。そんなボク達は、その後いろんな音楽を聴いて、それなりの知識を得て、再び懐かしくこのアルバムを聴き返す日が訪れるワケで、(笑)

そのときに、再び。人生で二度目となる?凄まじい衝撃に見舞われるワケです。
「なんじゃ、こりゃ!」 と。

昭和の、日本中の学園祭で演奏されたにも関わらず、21世紀の今、第二期ディープパープルを徹底追及しているトリビュートバンド、それが実現できているバンドがほとんど居ないのは何故でしょう。
第三期のコピーバンドが、こんなにもたくさんあるのに、どうして世界一有名な名盤を生んだ第二期を徹底追及しているバンドが居ないのでしょう。
ボクがオモウニ。ひとことで言うと、さっきの「なんじゃ、こりゃ!」です。
マチガイナク、この時のイアンペイスこそが、世界最高のハードロックドラマーでした。
抜群の疾走感、そしてスイングしながらもヘヴィであるという、この相反するハードロックの理想を全世界で唯一、見事なまでに実現しています。
37年後、ついにボクは渋谷AXで、そういうドラマーに出会うのですが、少なくともそれまで、誰も成し得なかった唯一無二のドラムスタイルだったと思っています。
誰もジミヘンドリックスと同じように弾き、同じように歌うことができないように、誰もイアンペイスのようには叩けない。と。
更に、このライヴ盤での鬼気迫るリッチーブラックモアも、最高にパーカッシヴなジョンロードも“神がかり”的ですらあり、そしてなんと言ってもロジャーグローバーのサウンドの凄さ(←なんなんだ、こりゃ!)、イアンギランのサウンドの凄さが、もう真似しようにも真似すら出来ないくらい、特別でした。
しかもそれが、偶然にも録音されていた。という。
この名盤・名演を、再現しようとすればするほどに、打ちのめされてしまうから、「なんじゃ、こりゃ!」なワケです。

で。それをやろうと。
こーゆー男たちが、奮い立ちあがったのです。

http://deep-blue-chateau.org/

この日のライヴの時点では、まだバンド名は通称“Mark II”(←メロトロンっぽいけど、第二期と、マーシャルアンプとカケて。TOYOTA車は関係ナシ)
この時点ではまだ成人指定も素敵なハンドルネームもなかったのですが、みるみる男達は意気投合し、ギリギリの快楽を求め異様な盛り上がりを見せてゆくのでした。(笑)

まさに、「男を男にしてくれるバンド」。(←深読み禁止)

よーく見れば、トップバッターのUFOトリビュートバンド「宇宙征服」のメンバーに、厚見さんとロジャーさんが加わった陣容です。

いったい、この方々のキャパシティは、どこまであるのでしょう。

さっきまで、ジョンボーナム。が、次の瞬間、第二期のイアンペイス。

ヴォーカルのゴンザレスさんは、本日3演目め。

ギターのミッチさんは、UFOトリビュートでマイケル・シェンカー役なのに、本番前日に、突然リッチーパーマをかけて登場するし、最終日はストラトを粉々に破壊するし。

ベースのルディさんがリッケンバッカーとマーシャルを購入しちゃうし。っていうのは、先ほども言ったっけ。(笑)

なぜ厚見さんが用意したヴィンテージラディックが、シルバースパークルだったのか。
イアンペイスと同じ色だから。と言えば皆さん納得されるでしょう。

つまり、ほぼ全ての楽器が、ディープパープルを演奏する為ダケに新調(古いのバッカだけど) され、アドリブだらけ・長尺だらけのアルバムの曲を細部まで完コピ再現するという、これまたトリにふさわしい恐ろしいメイニアックな演奏が繰り広げられたのでした。

圧巻はChild in time の長尺間奏(歴史に残る名演!)の完コピ、そして Space Truckin' の永遠と続く凄まじきジャムの完コピです。

そ・し・て。

この日、ついに“解禁”となったオルガニスト・厚見玲衣の凄まじさ、暴れっぷりに多くの観客が言葉を失っていました。

いやはや、すごいすごい。

重さ200kgものハモンドC-3をグワングワン振り回し、本邦初公開となったジョンロードと同じマエストロ・リングモジュレーター(恐らく日本国内に現存する完動品はこれ一台)を、ウヒャヒャヒャヒャーって容赦なくカキ回し。

そのハモンドC-3は客席フロアにセットされていましたから、200kgの巨体を揺すり地面に叩きつける都度、同じフロアに座る最前列のお客さんが地響きでグラグラ揺するられるワケで、まさにハリウッド映画でズシン、ズシンって恐竜が近づいてくるあのカンジ。こんな体験、白亜紀に生まれてこなければできませんっ。
先に解説したジョンロード仕様マーシャルで耳を、そして地面から襲ってくる震動で尻を破壊された厚見さんカブリツキのファンの方々は、まさに至福の瞬間であったことでしょう。(笑)
厚見さんのオルガン、あぶない!怖いっ!

はたしてジョンロードもこうだったのか!?
だとすれば、第二期ディープパープル「ライヴ・イン・ジャパン」は、やはり誰にも再現できるワケがありません。

ラストは“鬼”と化したミッチさんが、ストラトを木っ端微塵に破壊。

たいていそーゆー演出って変にシラケてしまったりするんですが。。。。甘いっ。なにせ“鬼”ですからね。
許せない何かがあったのでしょうか。それともホントは怖い人なのでしょうか。

凄まじきまでの破壊っぷりに唖然となったボクでした。

仲良くてヨカッタ。(笑)

もう、ナニモカモが徹底していて、これぞ正しく、“メイニアックスの奇蹟”のトリにふさわしい名演でした。

まあ、冷静によーく考えてみたら、最強オタクの宇宙征服と、最強・厚見さんが合体(←心の。です)したワケですから、そりゃこーなるわな。
そこらの自称トリビュートバンドが裸足で逃げ出す、まさに「男を男にしてくれるバンド」。

終演後、まるで椅子と同化してしまったかの如く、この場所を去りがたい気持ちで居るお客さん達が、この日持ち込まれた至宝のヴィンテージ機材を思い思いに持参したカメラで撮りまくるその光景を見ながら、(←このイベントは撮影可だったのです。)

フト。

もしかしたら、このお客さんの中から、“目覚めてしまった”次のメイニアックスな方が登場し、そしてボク達はまた出会えるんじゃないかな。などと思いを馳せつつ、

そんな方々にひと言だけ、申し上げさせて頂きますと、
「ハードロック・メイニアックス。。。。家族の理解なしに、成し得ませんよ。(爆)」

そして皆さんが目の当たりにした光景は、これは普通ではないんです。(笑)
これは、まさしく、“奇蹟” 以外の何者でもなかったのです。
ハードロック黄金期の再現、「ゴールデン・メイニアックスの奇蹟」
参加してくれた全てのお客さん、出演者、スタッフの皆さん、ほんとうにありがとうございました!

≪Roger≫

3日間、全てのセットリストを、ある時はジョンボーナム、またある時はドン・ブリュワー、ある時はコーキー・レイング、またある時はサイモン・カーク、そしてイアン・ペイスとなり、毎日毎日3時間以上叩き続け、しかも後半、どんどん音がデカクなっていくと言う信じがたいドラミングで、観客とボク達出演者全員の度肝を抜いたロジャー高橋さん!

ほんとうに有難うございました!
お疲れ様でした。

それなのに、最高の盛り上がりとなった最終日終演後の打ち上げにまで参加してくださり、泥のように酔い、皆を笑いの渦に誘い、なのに翌早朝から東北地方へ平然とライヴ巡業に旅立ったという逸話は、翌朝二日酔いと疲労で総倒れとなったボク達全員の“伝説”となりました。

えっ。早朝、起きられたんですかっ!?
いやはや。これぞ、まさしく、“奇蹟”!
いちばん恐るべきは、ロジャー高橋さんだった。(爆)

というオチで、最高に楽しかった、そして素晴らしい経験“EXPERIENCE”となった、ゴールデン・メイニアックスの奇蹟レポートを終えさせて頂きます。
ここで出会った皆さんと、また必ず、“共演”できる日を信じて。

みなさん、お疲れさまでした。ナニモカモ、全部が素敵でした!
ほんとうにありがとう!

そして、この“奇蹟”を実現させてくださった、厚見さん。ほんとうにありがとうございました。
お疲れさまでした。

これに懲りずにィ。。。(笑)

Written by Eiji Farner

フライヤー

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