sunn Collection

 

ツェッペリンといえばマーシャルの壁、グランドファンクといえばウェストの壁

マウンテンといえば、この“Sunn”の壁です。

マーシャルを持っている人は日本にたくさん居ますが、Sunnを、しかも壁のように所有している方はそーそー居ないでしょう。これは凄い!
しかも爆音で、アノ、ディストーションサウンドをぶっ放す。。。いやはや。。。風が起こるんですよ。圧倒的な音圧の風。凄すぎます。
マウンテンのステージではこのSunnの上にもう一台スピーカーを積んでます。つまり3段積みだけどヘッドアンプが真ん中に挟まった状態で天高くそびえてるワケで、みなさんのご自宅の冷蔵庫(3ドア)の上に、もう一台冷蔵庫(3ドア)を積んだような光景を台所に行って想像してみて頂ければ、その圧倒的な“壁”の巨大さをイメージして頂けるのではないでしょうか。
マウンテンは初期型の真空管式シルバーフェイスのSunnを使用していたので、このトランジスタ型のブラックフェイスベースアンプは型式こそ違うものの、そのサウンドはトランジスタにもかかわらず、ヴォリュームを4〜5に上げるとナチュラルに歪み始め、ミッドレンジの効いた太っといディストーションサウンドを放ちます。
この時代のベースアンプとしては比較的高音のきれいに出るハイファイなアンプのイメージなのですが、こいつに例の“超低音域のみ”のGibson EB-1をつなぐと、あのマジックが起こるワケです。
実はSunnで試す前に、ベースアンプの名機Ampegや、Hi-watt、幻のベースアンプWESTなどにEB-1をつないでテストしたのですが、結論的には「マウンテン・サウンド」は出ませんでした。EB-1の強烈なLOWを再生しきれなかったり、歪ませると音の輪郭が聞こえなくなってしまったり。
トコロガ、このSunnにEB-1をつなぐと、ディストーション状態に於いても音像の輪郭を失わずに、ミッドレンジの効いた太っとい音が出せるのです。
これにはビックリしました。恐らくパワフルなミッドにより歪ませても太さを失わず、更にハイファイな高域が音の輪郭を際立たせているのでしょう。素晴らしいアンプです。特にEB-1にとって(笑)。
インタビュー記事によると、バンドとしてマーシャルのサポートを受けた時期もあったらしいのですが、あの強烈な「マウンテン・サウンド」はマチガイナクこのSunnによるものです。 
ちなみに比較テストのために借りた後期型のSunn(4段積みヘッドの一番上)は、型名は同じでもミッドレンジが痩せていて、音量もパワー感に欠けていましたので、時代に応じてよりハイファイな方向に味付けを変更していったのかもしれません。

  

比較テストはこーゆーそびえ立つ光景で行ったのですが、やっぱり高々と積み上げられたアンプには、独特の迫力があります。
やはりあの時代のロックサウンドは、アンプの存在が重要なのだと改めて再認識しました。
アンプとベース、アンプとギターが一体となって初めてあの強烈無比な「マウンテン・サウンド」が得られるワケです。

Great Thanks, Kiyoshi-san !!


Atsumi氏所有の15インチ×2発入りスピーカーキャビネット。

   

日本では正規輸入されるようになった以降の70年代ブラックフェイス+赤いSunnロゴが一般に知られていますが、初期マウンテンの使用していたのは、この60年代シルバーグリルネット+白Sunnロゴなのです。
当時のスペック資料からすれば、パパラルディ氏が愛用したのは恐らくJBL D-140F×2発であっただろうと推測されます。

で。余談なのですが。

このMountain ManiacとリンクしているGrand Funk Manaicに於いて「世界最高、唯一無二」と絶賛されるGFRのMel Shacher氏が放つ強烈なエクゾーストサウンド(←FenderジャズベースにEB-3のPickUpを搭載し、WEST社の200w アンプをバイアス調整せずに頻繁に炎上する状況下でフルテンにして使用することにより得られる)と、Felix Pappalardi 氏のサウンドは酷似しているのと再三申し上げてきましたが、このシルバーグリルネット。なんとWESTのシルバーグリルと全く同じなのです。
グリルネットの網目のサイズや使っている糸は、一見似ていても各社異なるモノなのです。
が、このSunnネットはWESTネットと完全に同じです。

そういえばWESTも15インチJBL×2発のキャビネットだし、もしかしたらWESTのキャビネットって、Sunnに外注生産させてたのかもしれません。(その逆もアリか?)

ちなみに、60年代のSunnアンプを所有してる、Jimi Hendrixトリビュートバンド、「BAND of SHIGEO ROLLOVER」のベーシスト、NOELほんださんの Sunn 2000Sを拝見(拝聴)させて頂いた際に、60年代のSunn と WEST が同じメーカーのトランスを搭載している事を、こっそり発見していましたので、この説、意外と信憑性が高いんです。
(ノエルさんとの出会いのエピソードは、Grand Funk Maniac掲載の「爆音ロックベース・サウンド探訪の旅」を御覧ください。)

ご存知の方も居らっしゃるでしょうが、アンプの音(キャラクター)を決めるのは、実はトランスなんですね。

トランス=そのメーカーの音。なんですね。

なので、同じメーカーのトランスを搭載してるというのは、キャラも似るハズだし、やはりこの2社には、ヌキサシならぬ関係があるような気がします。
提携してた。とか、こっそりパクった。とか(笑)

と、まあ、この年季の入ったシルバーフェイス・グリルクロスは、ヴィンテージ・アンプ・マニアにとっては、大変興味深い、多くの“仮説”を語ってくれるワケです。

爆音で。

あ。キャビの上に鎮座する Marshall のヘッドアンプですが、これは・・・・今はまだ、ヒ・ミ・ツ。
ちなみにコレは、世に溢れている JCM2000 ぢゃありません。ムフ。 ( 続く。。。)

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